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単一成分液体の蒸気圧

図-1 水の蒸気圧
単一成分液体の蒸気圧グラフ

蒸留で取り扱うすべての液体は、温度で決まる蒸気圧を有しています。(10)式は、比較的精度よく求まる蒸気圧推算式、アントン式(アントワン式)です。


log P = A B t + C


それぞれの物質で、使用する温度範囲で定数ABCが異なりますが、ある一つの蒸留計算をする範囲ではその定数を変える必要はないでしょう。

もう、蒸気圧はどんなものかイメージできますよね。

グラフから読み取ると、フラスコの中に水を入れたとき、その日の気温が20であれば、その水はフラスコの中で22hPa分の分圧をもつ。

そして、そのフラスコを減圧してゆき22hPaになったとき、フラスコ内の空気はすべてなくなり、水蒸気(目には見えない状態)が100%を占める。それでも減圧を続ければどうなるか?

減圧し続ければフラスコの水は蒸発して蒸発熱を奪われて温度が下がります。そして、温度が下がりながらグラフの蒸気圧線に沿って蒸気圧(分圧ではなく全圧として)が低下してゆきます。

(9)式を変形して、


P = 10 ( A B t + C )

なお、上図は圧力の単位をtorrA=7.96681B=1668.21C=228として求めて単位変換しています。