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ワインの連続式酒石酸濃度制御プロセス
はじめに
ワイン中に含まれる酒石(酒石酸水素カリウム)はワインの風味の一部を担うものですが、余剰な酒石はワインをビン詰めした後にビンの底に析出し、商品価値を低くいたします。
そこで、ワインはビン詰め前に溶解している酒石の一部を取り除く、いわゆる安定化処理を行うのが常道です。
従来の、安定化処理は約-5℃で20〜30日間保持する方法でした。この方法は設備費が高く、処理時間とランニングコストがかかります。
国外で半連続式の処理装置も考案され使用されていますが、いろいろな問題が出てきました。
- ワインの種類に依っては酒石が取れない。
- 残留酒石濃度を制御出来ない。
- 装置構造上、多量処理に適さない。
- スケールアップが難しく、イニシャルコストが大きくなる。
本技術の特色
- ワイン中の残留酒石濃度を制御することが出来る。
- 多種多様なワインに適用することが出来る。
- 短時間に多量のワインを処理することが出来る。
- ワインの風味を損なわず余剰酒石を除去出来る。
本件は日本、米国、オーストラリア、EPC特許となっています。
経済的には・・・
- 設備が小型になるため、建屋建設費が安価になる。
- 装置建設費が安価になる。
- ランニングコストが低減する。
実装置のフロー略図
酒石安定化方法の総合評価
処理名称 | 本晶析法 | 急冷法 | 従来法 |
---|---|---|---|
原理 | 種晶添加 | 急冷自然起晶 | 保冷自然起晶 |
処理法 | 連続 | セミバッチ | バッチ |
処理時間 | 6時間 | 2日 | 20〜30日 |
処理温度 | −3゚C | −6〜−1゚C | −5℃ |
処理効果 | 安定 | 変動大 | 安定 |
設備スペース | 小 | 中 | 大 |
年間運転費 | 小 | 大 | 中 |
MAX処理量120KL
年間100日稼動を想定