回転式薄膜蒸発装置
エバリアクター
新開発
- 遠心力の利用によって飛沫同伴を防ぎ、蒸発効率を向上。
- 櫛状の羽根を効率よく配置し、薄膜の表面更新を向上し、蒸発を促進。
構造
1.排気ガス機構
従来の蒸発装置(代表的な構図を第1図に示す。)は高速に回転する軸と羽根を持ちますが、蒸気を回転する羽根から外れたところで取り出しているために、飛沫が蒸気に乗って出口から出ていく欠点がありました。
エバリアクターは第2図に示した様に回転軸の一部を中空とし、中空部の軸上に穴を設け、その穴から外部に気体を取り出すようにしました。エバリアクターの回転軸は高速で回転しており、その回転軸についている羽根は遠心力が大きく、供給された液体が加熱面に薄膜となって蒸発します。この遠心力が働いている所では、飛沫は羽根に捕まり、再度加熱面に押し戻され、飛沫の少ない蒸気が、軸の穴を通り外部に出て行きます。しかも、間違ってこの軸に入った液体は、軸が回転をしていることにより、軸の外に放り出されます。
従ってエバリアクターは、排出される蒸気に飛沫がほとんど入っていない状態で、運転が可能です。
2.薄膜及び液表面更新機構
羽根は第2図に示した様に、櫛状になっています。櫛の凸部が伝熱面にある液を掻き、凹部に液を押してやります。それを繰り返すことにより、十分な表面更新を行います。この櫛状の羽根の枚数及び配列により、液を移動させて蒸発を繰り返すことになります。
3.軸封機構
軸封にはノンシールのマグネットカップリング式、メカニカルシール式、ウイルソンシール式、グランドシール式などを用意しております。
テスト装置
エバリアクターのテスト装置を用意しております。
- 仕様
- 伝熱面積
- 0.1m2
- 電動機
- 1.5kW(可変速)
特徴
- 飛沫同伴が少ない。
- 蒸気出口は軸上にあるのでコンパクト。(高速回転が可能)
- 横置きでも縦置きでも使用可能。
- 滞留時間の調節可能。
- シンプルな構造。
構造図
第1図:従来型の薄膜蒸発装置
1−1 | 従来型の加熱面 | 1−5 | 蒸気出口 |
---|---|---|---|
1−2 | 液入口 | 1−6 | セイブオール |
1−3 | 回転軸 | 1−7 | 液出口 |
1−4 | 羽根 |
第2図:エバリアクター
2−1 | 加熱面 | 2−5 | 蒸気出口 |
---|---|---|---|
2−2 | 液入口 | 2−6 | 穴 |
2−3 | 回転軸 | 2−7 | 液出口 |
2−4 | 羽根 |
用途
次のような装置として使用できます。
- 蒸発装置
- 溶剤回収装置
- 反応装置
- 脱ガス装置
- 脱泡装置