HOME >> 技術情報(図書) >> 創立60周年記念出版
創立60周年記念出版
創立60周年を迎えまして
当社は、1948 年にエタノールを精製する蒸留塔(メチル塔)を開発してスタートして以来、熱的プロセスを伴う分離技術を中心に機器メーカーであり、またプラントエンジニアリング会社として、今日まで60 年の永きにわたり幅広い分野で技術開発を遂行しながら成長して参りました。年齢では還暦でございますが、まだ若手のつもりであり、意気込みを失わないベンチャースピリットを維持した成長過程のつもりです。
これも偏にお客様から熱いご支援、ご理解を賜り、特に本音のご意見やご要望を頂戴し、技術的な難問までご教示いただいたご指導、ご鞭撻のお陰であり、心から感謝しております。
今回、60 周年を迎えました足跡を顧みますと、化学工学の草創期から成熟過程まで産業界の一員として色々と勉強や体験をさせていただきました。化学工学会(元 化学工学協会)に大変お世話になりましたことを本当にありがたく思っております。
コアとなるコンセプトや基本技術などは化学工学そのもののアイデンティティとして普遍であり不変でしょうが、21 世紀に入って世界経済、エネルギー・環境情勢の変動とともに化学工学は大きな変革期に入っています。
化学工学の体系も思想も大きく変動・躍動しており、大きく進化し・増殖されてきています。その躍動・躍進をリードしておられる著名な先生方がご自身で開発された、あるいは開発過程の新技術の内容やその熱き思いをできるだけ平易にお話いただければ、現在の化学工学の躍動する流れの中で、目的と目標を共有しながらみんなで連携して歩くことができるのではないかと思い、このような記念書を出版させていただきました。
大変多忙な先生方に貴重な時間を割いて、素晴しい内容のご執筆をいただいたことに対して衷心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
この記念書は多様な読者の皆様を想定しており、興味を持って愉快に読んでいただけるように、先生方にはできるだけ平易な講話調でお書きいただいています。あらゆる立場の方々にとりましても化学工学の現在の躍進する姿を理解する上で本当に貴重なものとなると信じています。また、次世代を担う多数の若人の方々にも読んで興味を持っていただき、化学工学の将来を託したいと念願しています。
したがいまして、この記念書が化学工学および化学工学会へのご恩返しにでもなれば望外の喜びです。
これからも世の中のため、社会や皆様のお役に立つべく技術開発に研鑽してまいります。
今までと相変わりませず、ご指導ご鞭撻、ご支援ご厚情を賜りますよう、心からお願い申し上げます。
平成 20 年8 月1 日
関西化学機械製作株式会社
代表取締役社長 野田 秀夫
- 表紙
- 社長挨拶
- 会長挨拶
- 目次
-
- 石炭の高効率利用技術開発に向けて
- 京都大学 教 授 三浦 孝一
- 超臨界流体技術 「食糧とエネルギーの自立した地域社会の実現」
- 東北大学名誉教授 新井 邦夫
- 思考過程をモデル化する
- 東京工業大学 教 授 仲 勇治
- バッチ蒸留の省エネルギー 「多重効用バッチ蒸留システム」
- 京都大学 教 授 長谷部 伸治
- ウォールウェッターの開発とその応用システムへの技術展開
- 関西化学機械製作株式会社 野田 秀夫
山路 寛司
向田 忠弘 - いのちの水、しかばねの水
- 産業技術総合研究所環境化学副研究部門長 中岩 勝
- リフトトレイからチェンジトレイへの技術展開
- 関西化学機械製作株式会社 野田 秀夫
山路 寛司 - 気液平衡も進化する
- 東京理科大学 教 授 大江 修造
- 圧縮機を必要としない内部熱交換式蒸留システムの開発(Compressor-free HIDiC System)
- 関西化学機械製作株式会社 片岡 邦夫
- 液液抽出操作の技術革新「抽出操作における分子集合試薬という新しい概念の誕生」
- 九州大学 教 授 後藤 雅宏
- 亜臨界水を用いた有機性廃棄物の資源化と新エネルギー創生
- 大阪府立大学 教 授 吉田 弘之
- 高性能多段抽出装置MS カラムの開発
- 兵庫県立大学 元教授 山口 學
関西化学機械製作株式会社 金田 万平 - 傾斜型晶析塔の開発
- 東京農工大学 教授 松岡 正邦
- 晶析・・・ 過飽和溶液の心を読むためのレシピ
- 大阪市立大学 教 授 大嶋 寛
- ナノ多孔性膜の輸送現象と無機膜の進展
- 広島大学 教 授 都留 稔了
- 水ストレス低減に貢献する膜分離技術
- 神戸大学 教 授 松山 秀人
- マイクロリアクター−新世代化学技術へのパラダイムシフトを目指して−
- 京都大学 教 授 前 一廣
- 流動解析から微小チャネルの機能を抽出「チャネルの屈曲を利用したマイクロミキサーの開発」
- 大阪大学名誉教授 平田 雄志
- 生物化学工学の話題から「Simple is best そして攪拌速度によりpH制御する?」
- 大阪大学名誉教授 塩谷 捨明
- 生物化学工学 「酵素を用いたバイオディーゼル燃料の生産プロセス」
- 神戸大学 教 授 福田 秀樹
- 微生物を用いたバイオリファイナリー戦略「バイオマスから燃料・化学品の生産」
- 神戸大学 准教授 荻野 千秋
教 授 近藤 昭彦 - 腫瘍部位だけを加温する新規ハイパーサーミアの開発
- 名古屋大学名誉教授 小林 猛
- 気泡塔を用いたキノコ菌糸体の液体培養(Submerged Culture of Mushroom Mycelium by Bubble Columns)
- 奈良工業高等専門学校 教 授 河越 幹男
- 編集後記